( 2007.12.07 )


  外務省    暴露ウイルス感染

    …… 外交官PCからテロ関連情報など流出

 日本の外交官が私物パソコンにコピーしていた仕事上の文書などをインターネット上に流出させていたことが6日、分かった。 ファイル共有ソフトの使用で暴露ウイルスに感染したためで、テロ組織の活動に関する文書や外国の情勢分析資料もあった 外務省も事実を把握し、機密情報が漏れていないか確認を急いでいる。 海上自衛隊の暗号など重要情報の流出が相次ぎ、各省庁が私物パソコンへのデータのコピーを禁じるといった対策に乗り出す中、外務省の危機管理のずさんさが改めて浮き彫りになった

 情報を流出させたのは在トリニダード・トバゴ日本大使館に勤務する3等書記官( 31 )。 今年10月中旬、ファイル共有ソフト 「Share( シェア )」 を私物のパソコンで使用中、ダウンロードしたデータに混入していた暴露ウイルスに感染。 約30点の文章を流出させた。 ワープロソフトで作った書記官自身の名刺や外務省が作成した辞令の連絡表、元公安調査庁職員がアジアの在外公館に赴任する際、大使にあてたあいさつ文などがあった。 あいさつ文には経歴や家族の個人情報も含まれている。

 このほか、国際テロ組織アルカーイダの細胞組織がアルジェリア、モロッコ、ケニア、エチオピアで、どのような活動をしているかを探る質問文書があった。 ミャンマーのキン・ニュン元首相が退任した後の情勢を分析した英文資料もあり、この資料の作成者は書記官以外の日本人名となっている。

 書記官は 「10月中旬、 『Share』 を使い、ウイルスに感染したのか、ハードディスクが壊れてしまった。 情報が流出したのは知らなかった」 と話している。 流出情報は 「すべてプライベートのものだと認識している」 としつつも、アルカーイダの質問文は 「出張で使ったものかもしれない」 と答えた。

 外務省職員がファイル共有ソフトを使って情報を流出させたのは初めてで、同省報道課は 「流出は把握している。 現在、書記官が流出させたものか否かも含めて調べている」 としている。

 外務省では機密文書を重要度から 「極秘」 「秘」 「取扱注意」 の3種類に分けている。 流出文書がこれらの機密文書に該当するかも確認を急いでいる。
 トリニダード・トバゴは南米・ベネズエラの北東のカリブ海に浮かぶ島国で人口約130万人。 大使館は同国以外に周辺の島国を中心に計9カ国を管轄している。
暴露ウイルス 「Winny( ウィニー )」 や 「Share」 などのファイル共有ソフトで音楽や映像をダウンロードする過程で混入し、偽装したファイルをクリックすると感染する。 ウイルスはパソコン内の文書や写真を勝手にかき集め、共有ソフト経由でネット上に放出する。 流出したデータの消去は不可能。 昨年2月、海上自衛隊の護衛艦 「あさゆき」 隊員から無線の暗号情報など機密情報や戦闘訓練の計画表が流出したほか、今年6月には警視庁の巡査長が大量の捜査情報を漏らすなど流出が相次いでいる。




( 2011.01.11 )





 他人の成功を自分の手柄にしたい。 自分の失敗を他人のせいにしたい。 誰もが思う願望だが、日本に、手柄を奪うこと、失敗の責任をなすりつけることを日々実践している組織があるのをご存じだろうか。
 その組織とは外務省のことだ。
 外務省は、傑出した外交手腕を持つ政治家を追い落とし、手柄を強奪、反対に失敗したら人のせいにすることを繰り返してきた。

 例えば、A国との外交課題を解決するに当たって、Bという政治家が外務省とは別の独自ルートを用いようと考えたとする。 もし交渉が決裂すれば、
 「私たちの外交ルートを使わなかったのが失敗の原因です、今後はすべて外務省を通すようにしてください」
という。 反対に、外交交渉がうまくいけば、
 「実は、誰にも知られないように外務省独自の秘密ルートで解決したのです。 何も知らないB先生は、まるで自分の手柄のように吹聴していますね」
という。

 首脳会談で話す内容を外務省に事前に極秘で知らせると、相手国に瞬時に伝わってしまう。 当然会談は周到な準備のできる相手国が優位になるか、あるいはただのセレモニーで終わる。 迷惑なだけで国益に利さないのだが、外務省官僚は相手国におもねるために平気で情報をリークしていた。 小泉外交は、その失敗を踏まえ、交渉の99%を終えた段階で、情報を外務省に知らせるようにした。 しかし、そんな状態であっても外務省は自分の手柄であるかのように振る舞うことには長けており、失笑を禁じえなかった。

 思えば、拉致問題をストップさせたのも、ある外務官僚だった。 横田めぐみさんのものとされる遺骨を調べた当時の医師は 「ニセモノとも本物とも判定できない」 といい、さらにはその結果を公表しないという北朝鮮当局との約束を無視して 「遺骨はニセモノ」 と公開して、外交ルートを遮断した。 しかしその幹部は、責任を取ることなく、最高ポストの事務次官にのぼりつめた。

 反対に自分たちが主役になれない外交を政治家がはじめたとき、追い落としを平気でするのも、彼らの習慣だ。 外務省の頭越しに北方問題を解決しようとした鈴木宗男氏、佐藤優氏などが、外務官僚からひどい仕打ちを受けたのは周知のことだろう。

 その意味で、日本の保守政治家は、外務官僚に散々な目にあわされてきた。 代表的なものは 「靖国政局」 であろう。 親中派の政治家と外務省チャイナスクールが結託し、マスメディアを通して、日本の保守政治家を徹底的に傷つけてきた。 中国が怒っています、アジア外交が機能不全になります、と煽るだけ煽る。 しかし、そこで保守政治家が持論を曲げ、妥協したところで、かえって事態は悪くなる。 そこで外務官僚はいうのだ。
 「私たちの言うことを聞いたおかげでこの程度で事態が収まった」 と。
 歴史に if( もし )がないことを見越せば、あとから何とでもいえる。 また日本が民主主義国家である以上、批判があるのは健全なことだが、その出所がいつも外務省周辺というのは、あまりに不健全だ。




 そんな彼らに、政権交代によってもたらされた危機がある。 それは、民間大使の起用である。 これは外務官僚にとって面白いわけがない。 どういう形で嫌がらせをするかに注目していたが、早速謀略が始まった。

 本年9月7日、沖縄県・尖閣諸島付近で起きた中国人漁船と海上保安庁巡視船との接触事件のときだ。

 「中国が民間出身の丹羽宇一郎民間大使を深夜に呼びつけるという過去にはない異例の事態が起きた」 との報道がされた。 この報道は事実であるが、報道していない部分がある。 当日の模様を追ってみたい。

 まず、午後6時、中国外交部から日本大使館宛に尖閣問題で午後8時ごろ会いたいという連絡があった。 丹羽大使のほうが都合が悪く、午後10時ではどうかと返事をした。 ところが、外交部のほうが10時は会議があってダメということになり、結局深夜0時で合意したという。 これが本当の経緯だ。

 それが、新聞などの記事ではただ深夜0時に異例にも呼びつけられたとしか書いていない。 普通の役所がそういうミスリードを放っておくのならわかるが、情報に機敏であるはずの職業外交官が 「深夜0時過ぎ」 とだけ強調されても、そのあとのフォローがないのは奇妙だ。

 つまりこれは、中国はけしからん、という発表の陰で 「大使は民間で大丈夫なのか」 という小さな毒を織りまぜたのだ。 この毒は何度も何度もいろいろなところに投入され、マスコミによって不信が増幅されていくだろう。

 永田町には 「藪中三十二( 前外務次官 )が次の中国大使を希望していたのに、岡田克也外務大臣( 当時 )が民間大使を起用した」 という風説が流布している。 もうひとつの重要ポストである駐米大使も当初は民間人を起用しようとしたところ、打診された大手商社の元社長が高齢を理由に断ったため、かろうじて外務省OBがポストを守ったかたちになったという。 焦った外務官僚はOBとも一丸となって、大使のポストを民間から奪還しようとしている。

 日本の外務官僚はもともとそんな状態だったが、民主党政権になって、その専横ぶりに拍車がかかってきた。 外務省最高幹部が官房長官に 「政治家と外国の要人が会うのも含めて対外的なことは外務省を先に絡ませていただきたい」 と進言したという。 さらにこの幹部は程永華駐日中国大使に、交渉は外務省を通すようお願いにあがったという。

 日露戦争( 1904~05年 )後、当時の外務大臣小村寿太郎が苦労を重ねて日本に有利な条件にこぎつけたポーツマス条約に対して 「賠償金がない」 という理由で日比谷焼き討ち事件が起きたことがある。

 政治家の外交成果を叩き潰す。 まさかとは思うが、これも外務省が焚きつけたのではないだろうか。 私が見てきた外務省が、当時からそのままであったなら、私はまったく驚かない。 戦時下の大本営発表はウソばかりだったが、外務省発表には、本当のことがあまりに少ないので今後も注意が必要だ。





( 2013.03.22 )

   



漏洩した外務省の内部資料の一部

外務省査察、不正経理も

 米西部コロラド州の在デンバー日本総領事館で昨春、外交機密文書の漏洩ろうえいと不正経理疑惑が浮上、外務省が査察に乗り出していたことが明らかになった。 内部文書など漏洩したとされる一部文書を入手したが、外務省は査察実施を認めた上で、結果についてはコメントできないとしている。

 関係者によると、疑惑は昨春、総領事館と外務省に届いた2通の告発文がきっかけで浮上した。

 邦人テロ対策に関する機密文書のほか、前総領事の私的資料や電子メールアドレスなど職員の個人情報、在留邦人リストが漏洩している疑いを指摘する内容だった。 飲食店経費の水増し請求など職員による不正経理も指摘されていた。

 入手した一部資料は、平成22年7月にフィリピン南部で起きた邦人誘拐事件に関する 「対外発信要領」 や前総領事の個人的な資料など。 誘拐事件に関する資料は、記者会見での応答要領をまとめたもので、外務省内の回覧部署を指定、 「取扱注意」 の印が押してあった。

 事態を重く見た外務省は昨年5月、同省の査察官数人をデンバー総領事館に派遣。 約1週間にわたり職員の聞き取り調査や館内の任意捜索を行った。 査察が入るという情報は、館員を通じて現地の一部在留邦人にも事前に漏れていた。

 外務省は査察結果について、 「査察業務の適正な遂行に支障をおよぼす恐れがある」 などとして、公表を拒否。告発文についても 「情報提供者の保護」 などを理由にコメントできないとした。 しかし、その後、査察官から重点的な聴取と捜索を受けるなどした複数の館員が異動。 総領事公邸に勤務していた現地採用の職員も解雇された。

 この点について外務省は、 「通常の人事管理上の考慮に基づくものと承知している」 としている。

 デンバー総領事館では平成13年にも公金流用事件が発生、総領事が懲戒免職となっている。

 また、今年2月には外務省の公用パソコンから 「取扱注意」 を含む内部文書約20点が外部に流出したことが判明。 パソコンがウイルスに感染した可能性が指摘されており、外務省の情報管理のあり方が厳しく問われる事態となっている。

 大野郁彦駐デンバー総領事の話 「各在外公館は運営状況の確認のために数年ごとに査察を受けることになっている。 結果は対外的に明らかにしていない」





( 2013.03.23 )

   



在デンバー日本総領事館の旧公邸
 米西部コロラド州の在デンバー日本総領事館の前総領事( 65 )が、韓国情報当局に近いとされる韓国人フィクサーらを数回にわたり総領事の旧公邸に招き、未明までカラオケなど酒宴を開いていたことが関係者への取材で明らかになった。 前総領事は韓国人客を前に寝込んでいたとの目撃証言もあり、前総領事は 「脇が甘いと言われればそうかもしれない」 と認めている。

 旧公邸はデンバー市郊外の閑静な高級住宅地にある。 来客用の建物と居住スペースに分けられ、ミラーボールで装飾したカラオケルームが2部屋あった。

 前総領事は朝鮮半島情勢に通じており、韓国語に堪能。 総領事時代の2010年秋、情報収集名目でたびたびこの 韓国人フィクサーら と会食し、うちの数人は 「どういう素性か分からなかった」 ( 前総領事 )にもかかわらず、自らの居住スペースに招き入れ、酒盛りをしていた。

 前総領事が韓国人らに 「また泊まっていけばいい」 と話していたとの目撃証言があるが、前総領事は産経新聞の取材に 「泊まっていないと思う」 と明言を避けた。 ただ、韓国人フィクサーに同伴していた素性の分からない人物を公邸に入れたことについて 「疑ったことはなかった。 相手がプロなら( 個人情報を )とられることもあったかもしれない」 と語った。 原因は不明だが、前総領事の個人情報が流出しており、旧公邸内外から前総領事のパソコンに不正アクセスされ情報が盗まれた疑いもある。

 一方、複数の関係者は、カラオケルームでマイクの音に不自然な雑音が入るなど、建物全体に盗聴器が仕掛けられていた可能性を指摘している。 通常、入居前には盗聴器の有無など公邸内外を徹底的に調べる “消毒” をするが、前総領事は 「一度も調べたことはない」 という。

 総領事館でもこのころ、館員が使っていた電子メールが部外に漏れている疑いが浮上、メールシステムを総入れ替えしたという。

 関係者は前総領事とフィクサーらとの親密な関係の背景に、韓国がデンバー総領事館を新設するために、在留邦人減少による日本総領事館閉鎖の可能性を含む内部事情を探る必要があったと指摘する。 航空自衛隊の次期主力戦闘機F35導入への日本の動きを把握する狙いもあったようだ。

 コロラド州は、北米航空宇宙防衛司令部( NORAD )のあるピーターソン空軍基地や空軍士官学校など米空軍の重要拠点。 国防関連企業も多く、州内にはF35関連基地がある。

 在ワシントン韓国大使館は 「( 韓国で )新政権に代われば、米国内に領事館の新設を検討することはあり得る」 としている。





( 2013.03.25 )
 
   


 米西部コロラド州の在デンバー日本総領事館の元首席領事が、地元の飲食店に代金を水増しして総領事館に請求するよう要請、差額を私的に流用した疑いが持たれていることが明らかになった。 元首席領事は水増し請求を要請した際、子供の教育費が必要だと説明しており、複数回にわたって差額を私的流用していた疑いもある。

 水増し請求疑惑が発覚したのは、元首席領事が在籍していた昨年春。 これより前にデンバー市内の飲食店で総領事館関係者20人が出席した会合で元首席領事は店側に水増し請求を依頼。関係者によると、実際にかかったのは1人当たり、約20ドル( 約1890円 )だったが、60ドルにして総領事館側に請求するよう求めた。

 この際、元首席領事は電子メールで、 「日本にいる子供の学費がかかり、所持金のほとんどを日本に送金してしまった。 財政事情が苦しいです」 と “協力” を求めたという。

 総額は約400ドルだったが、店側に1200ドルを支払ったことにして、差額の800ドルを私的に流用しようとしたとみられる。 関係者によると、店側は要請に消極的だったが、結局1人当たり40ドルの請求書作成を了解。 総領事館側に約800ドルの請求書を送付したという。

 外務省は昨年5月、内部文書漏洩と不正経理の存在を指摘する告発を受けて査察を実施したが、領収書の発行元までは調べていなかった。 同省は 「査察業務の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがある」 などとして査察結果の公表を拒否している。

 この元首席領事は査察後の昨年秋、中南米の大使館に異動した。

 元首席領事は、電話取材に対し、 「こうした話は聞いたことがない」 と水増し請求疑惑を否定している。





( 2015.07.09 )
 

 どうして日本の外務官僚はこれほど愚かなのだろう。 世界遺産登録をめぐって日本の佐藤ユネスコ大使は 「多くの韓国人が “brought against their will” ( 意に反して連行され )、 “forced to work” ( 強制的に働かされた )」 と発言してしまった。

 これではいくら日本政府が 「強制労働( http://agora-web.jp/archives/1647603.html )」 ( forced labor )ではないと言い張ったったところで、韓国どころか世界の政府やマスコミは 「違いはない」 と言うだろう。 韓国政府は 「しめた!」 と思ったに違いない。

 つまり、国際社会に 「日本は多数の韓国人を強制労働としてこき使った」 という認識が広がってしまう。 日本政府が自ら、公式の場でそれを認める発言をししたせいで。

 それだけではない。 ご丁寧にもその公式発言を 「理解させる」 ために、 「情報センターを作る」 と約束してしまったのだ。

 世界遺産登録した歴史的施設の入り口付近に 「この施設は遺憾ながらかつて多数の韓国人を強制的に働かせていました」 という解説を書いた案内版を設置することになるのかも知れない。
 設置しなければ 「約束が違う」 と韓国政府が抗議するかも知れない。 韓国政府に 「強制」 される形の 「強制労働」 ならぬ 「強制情報提供」 である。

 安倍政権は 「これで日本の産業の輝かしい世界遺産が登録できた。 内外で賞賛され、観光地としても発展するだろう」 などと悦に入っているかも知れない。 だが、韓国側は、 「この世界遺産は多数の韓国人の犠牲の上にできた血塗られた負の遺産なのだ」 と世界に喧伝することだろう。

 ひさしを貸して母屋をとられるとはこの事だ。 韓国は日本の世界遺産登録を逆手にとって、反日外交の格好の材料として活用するわけだ。 輝かしい歴史がおどろおどろしい遺産として扱われ、観光地どころではない。 日本人も嫌がって目をそむけ、足を向けなくなる事態さえ来ないとは限らない。

 先日、 「日本は安易に韓国に妥協してはならない」 と釘を刺したのはこうした事態を恐れてのことだ。

 そんな馬鹿なことにはならない、と外務省は思っているだろう。 だから 「世界遺産登録がうまくなされ、韓国との関係も改善されるならば」 と軽い気持ちで、 「多くの韓国人が forced to work ( 強制的に働かされた )」 と発言してしまったのだ。

 我々は 「強制労働」 ( forced labor )とは認めていない、などと手前勝手の自己弁護を繰り返しながら。 そんな言葉のわずかな違いを言い立てる 「霞ヶ関文学」 は日本の役所内のごく一部でしか通用しない。

 これは河野談話の完全な二の舞である。 「日本政府( 日本軍 )は慰安婦の強制連行はしていない。 でも、本人の意に反した仕事ではあったし、施設運営や衛生管理が中心ではあるが、日本軍が慰安婦の管理に関与したことは確かだ。 またごく一部( インドネシア )ではあったが、日本軍が連行したこともあった」 という形で自分を納得させつつ、韓国との関係改善をしたいがために、 「河野( 官房長官 )談話」 を出してしまった。
“慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当たったが、 …… 甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。 また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。 …… いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である”
 これだけはっきり発言すれば、この英文を読んだ欧米の記者や歴史家に 「だって、当時の官房長官が認めているじゃないか」 に言われてもやむをえまい。 当時の日本と朝鮮半島の事情にうとい海外の記者や歴史家が強制連行の微妙な違いがわかるはずがない。

 実際、朝日新聞のキャンペーンもあって日本の悪辣な 「慰安婦強制連行」 説は世界に広がり、後になっていくら朝日新聞が強制連行を否定しても 「日本軍の関与はあった」 という形で日本の名誉は踏みつけられたままである。

 米国などで歴史教科書にまで堂々と、それも著しく歪められ、誇張された形で掲載されている。 それを日本の外務省が抗議すると、 「言論弾圧だ!」 などと、およそお門違いの逆ねじをくらう始末だ。

 

 悪評さくさくの 「歴史的事実」 として今も誤解されている大正時代の対華21ヶ条要求も、同様の産物だった。

 当時の米外交官ラルフ・タウンゼントが 「暗黒大陸 中国の真実」 ( 芙蓉書房出版 )の中で、対華21ヶ条要求の背景を書いている。

 日本側との交渉で中国側代表団は内容には実質的に満足していた。 言い換えると、日本側の要求は当時の外交常識から言って、不当なものではなかった。 だが、中国側は 「内容はこれで結構だが、やむなく調印したという形にしてほしい」 と望んだ。 「国内向けに通りがいいので日本の 『要求』 に屈し、不承不承調印したという形にしてくれ」 と言ったのである。 そこで日本側は 「それがいいのなら」 と高圧的な態度に出るフリをした。

 ところが、中国はこれを材料に 「日本に脅迫され、やむなく調印した」 と内外に喧伝した。 これにアメリカがかみつき、 「哀れな中国に、日本は苛酷な要求を突きつけた」 という形で世界に悪評が広がったという。
 中国への進出をもくろむ米国もうすうす事情を知りながら、日本の悪宣伝を増幅させたのかも知れない。

 

 

 しかし、その外務省を活用しているのは安倍政権である。 安倍首相も脇が甘かったと言わざるをえない。